ワクチン製造設備における空調制御システム
機能と省エネをテーマに「MLCS」で挑戦
ワクチン製造設備における「無菌製剤空調システム」
今回の様な無菌製剤空調システムにおいては室圧(気流)が維持された環境とすることが絶対条件となります。
更にワクチン製造設備の様なバイオハザードの場合、ウィルス等を扱う為封じ込め制御(陰圧制御)という高度な室圧制御技術が必要となります。
この様な難しい制御に加えて省エネをより効果的に実現したいという要望より当社のMLCSを採用して頂きました。
また、ふ卵冷却システムにおいてはワクチン製造鶏卵法における世界初の試みを成功させることができました。
【バイオハザード空調システム】
・BSL2(循環モード)及び BSL3(全排気モード)自動切替機能搭載。
また、各々のモードにおいて省エネモードを搭載。
・局所排気の排気風量に対する外気(OA)量追従可変制御機能搭載。(通常の2.4倍まで連続追従)
・全自動燻蒸モード
省エネ率 通常運転より−86.5%省エネ運転を達成しました。
【ふ卵冷却制御システム】
インフルエンザワクチンを製造する方法の一つに鶏卵法という製造方法があり、製造過程の中で有精卵にウィルスを接種し、高温多湿な室内環境でふ卵させた後、冷蔵室に入れて壊死させ成分を採液する工程があります。
従来、高温多湿の室内と冷蔵庫の様な室内が2つ必要だったのに対し、今回一つの室内で高温多湿な環境から氷点下寸前の環境まで一気に結露させることなく一連の工程を全自動化したシステムを実現させました。
また、ふ卵過程において接種した有精卵は発熱していくので加熱負荷から冷却負荷へと変化していくわけですが、その様な環境下で±0.1℃/1.0%RH以内という環境精度を実現させ生産性の向上に大きく貢献しました。
MLCSを採用することにより、お客様の様々な潜在的ニーズに応えることが可能であると考えております。
今回の空調システムの特徴のひとつである室圧を維持した状態で 自在にOA量を可変することは、MLCS(複合ループ制御)ならではの技のひとつです。
また、ふ卵冷却システムにおいてもMLCSと温度調節ループの融合により今回の様なシステムが実現可能となりました。